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テレソン工房のウドゥドラム

ウドゥドラムは、西アフリカのナイジェリアに伝わる陶器で出来た太鼓です。
外観は大きな壺の胴に500円玉くらいの丸穴を開けただけのシンプルなものですが。これがちょっと侮れません。胴体を叩くとカンカンという高音が鳴り、穴を叩くとボインボインという非常にユニークな低音★1 が鳴ります。ウドゥドラムが入るとどんな曲でもとたんにエスニック風になってしまうという、主張の強い楽器です。下はウドゥドラムを使った音楽作品★2 の例。

ウドゥドラムは、大きな陶器の壺を作れるなら誰でも作れますから、今では世界中の工房やメーカーが製作しています。

テレソン工房は一押し

テレソン工房は、フランスでウドゥドラムを専門に製作している工房です。写真に見るとおり、伝統的な壺形からいろいろやり過ぎなデザインまで、たくさんのモデルを製作しています。
» !!! 販売開始しました !!! ウドゥドラムのカタログページはこちらです。

ウドゥドラムは高音が命です。あのユニークな低音は、実は誰がどう作っても出来ます。それに対して高音は、胴の素材や造作により神経質な影響を受けます。胴の出来が悪いとペチペチしたり、ゴツゴツと学校の机を叩いているような音になります。

テレソン工房のウドゥドラムの胴は、薄くて硬くて均一です。叩くとカンカンと乾いた気持ちのよい音がします。

テレソン工房のウドゥドラムは、一品ずつの手作りではありますが、工業的な手法を採用しているようです。そのため安定した品質のウドゥドラムを短期間で製作できるようです。そして価格も工業製品並みに安価に抑えてあります。

販売に向けて動きはじめました

「すごく良いウドゥを見つけた!」と、このブログで紹介したのがもう2年以上も前のこと。当時はすぐにでも販売開始するつもりで、工房と商談を進めていました。工房も非常に乗り気な返事でした。

が……なんの理由だったか、そのまま何もせずずるずると今日に至ります。

その間「まだ販売しないのか」というお客さんの催促をいただいてまして。はい、ここらで本腰を入れて販売開始します。既に工房に対して、ご無沙汰の挨拶と2種類のウドゥドラムを注文しておきました。

以降の状況は、この記事にコメントをつける形で報告していきます。気になる人は一週間に一度くらい覗いてみてくださいまし。
» !!! 販売開始しました !!! ウドゥドラムのカタログページはこちらです。

★1 ユニークな低音
「あ、この音知ってる!」という人がいるかもしれませんね。でもそれはきっと別の楽器、インドのタブラ(正確にはタブラ&バヤ)です。インドのタブラはマスターするのに長い年月の修行が必要です。しかしウドゥは誰が叩いてもこの音がするので、知っている人は”なんちゃってタブラ”としていろいろ重宝に使っています。

★2 ウドゥドラムを使った音楽作品
ウドゥドラムは、手に持って叩いたときの音は非常に魅力的なのですが。録音した音は、何かの間違いでは!?と疑うほどショボくなります。録音したウドゥドラムの音を迫力あるように聞かせるには、相当のアレンジ・スキルが必要ですよ。アマチュアのYouTube動画などで迫力あるウドゥドラムの音を聞いたら、(この人は相当アレンジの腕がいいな)と察してあげてください。私も明確にやり方が分かったらブログで説明します。

楽器があればもっと楽しい毎日
» 変わった楽器、珍しい楽器の販売は世界楽器てみる屋

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コメント

工房からの返事です、早っ。
先方の気持ちも2年前と変わっていなかったようでほっとしました。

ウドゥドラムは大きくて割れ物なので、送料がかさみます。送料が安くなるならそれに超した事はないですが……それで入荷に半年かかるようなら無用です。ウドゥドラムの送料が高いのはどうにも仕方ないものと考えています。

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こんにちは テツユキ
君のメールをとても嬉しく思うよ。そして再び僕たちの作品に興味を示してくれてありがとう。ウドゥドラムの取引については問題ない。妻のメアリーはより少ない料金でそれらを輸送するいちばん良い方法を調査しているところだ。僕たちはできるだけ早くそれを君に知らせるつもりだ。
良き日々を
クリスティアン
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それと気づいたことが一つ。
今更、日本に向けての配送方法を調査始めるということは、彼らと大口の取引をする日本人は私が初めて、ということになります。うんうん、一番乗りって気持ちいい。世界楽器てみる屋は変わった楽器・珍しい楽器を売る店ですから、一番乗り、というのはすごく大事です。

それと、彼らの事業はあまり上手くいっていないのでは……と憶測します。価格が2年前と変わらず(不当に?)安価であること、製品モデルのバリエーションが増えていることを根拠にします。また彼らは大口の取引に慣れていない印象を受けます。既にいくつかの楽器店と取引しているのであれば、(毎度の感覚で)卸売りの条件をすらすら列挙するでしょう。

なんて憶測はぜんぶハズレかもしれませんけどね。
でもこのように取引先、お客さん、ライバル店の些細な言動を手がかりに、彼らが打つであろう次の一手を探るということを、私はよくやります。「小さな個人商店が生き抜くためには正確に未来を把握し云々……」という言い方をすれば、そのままビジネス書の一節になりそうですけど。

まあ好きなんですよ基本的に、こんなふうにあれこれ考えるのが。このへん私はカードゲーム感覚で商売しています。ダニエル・ピンクの『モチベーション3.0』にそういうことが書いてあります。

もう一つ気がつきました。
テレソン工房のウドゥドラムは奇抜な形状と焼きムラ?の美しい模様が魅力だと思いますけど。これって、焼きムラじゃなくて塗装ですね。製品を撮影するのに使っている台は、彼らがふだん塗装に使っている台です。よく見るとエアスプレーを吹きつけた跡が残っているでしょう。

これだけでまた色々なことが分かります。
彼らは基本的な性能(音色)だけでなく、外観も重要だと考えています。そして塗装スプレーで見栄えがよくなるなら、そのくらいの手間はかけてもいいと考えています。その感覚は歓迎できます。また、自然現象(焼きムラ)ではなく人為的な意匠(塗装スプレー)ですから、アタリ・ハズレができにくい。外観の出来には信頼がおけるということです。

そして改めて彼らの美的センスも気に入りました。
どうせ塗装スプレーするんだから、絵を描いたりとか何色かで塗りわけたりとか、いろいろできたはずです。そこを敢えてナチュラルメイクというか、誰にもそうと気づいてもらえないような焼きムラを描くなんて。グッドですよ。お客さんに気づいてもらえない所にも気を配るという、彼らのウドゥを製作する姿勢は信用できます。

最近、ウドゥドラムが欲しくて色々探しててたどり着きました。テレソン工房のウドゥドラム気になりますね。陶器ではなくて銅製であることと、美的センスもいい感じです。
販売はいつ頃になりそうですか?

> 陶器ではなくて銅製であることと、
あいやテレソン工房のウドゥドラムはふつうに陶器製ですよ。金属で出来てるって、私はどこかに間違えて書きましたか。

一応、テレソン工房には発注を済ませてます。向こうもそのつもりで製作しているはずです。販売開始は年末……にかかると外人は仕事をしませんから、年明けの1月末あたりでしょうか。

テレソン工房から連絡がありました。
ウドゥドラムの形は出来上がって、後は焼くだけだそうです。出荷の予定は11/12だとのこと。これなら年内に販売開始できそうです。

それにしても送料がべらぼうに高いです。ほとんど本体価格と変わらないほどです。割れ物だからたくさんの詰め物でかさばるのでしょう。「ウドゥってなんであんなに高価なの?」という疑問をネットで見かけましたが、送料が高いから、というのがおそらく答えです。

あれからほとんど半年たってやっと販売開始しました。
ウドゥドラムのカタログページはこちらです↓
http://gakki.temiruya.com/archives/8750/1000/

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