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マスタバスにコンプとEQを差しっぱなし 1

私はDAW★1 で音楽作品を製作するとき、早い段階からマスタバス★2 にコプレッサとイコライザを差して作業します。以前は「ミックスダウンしてmp3ファイルにすれば完成」という段になってから差していましたが、それだとせっかく調整した楽器の音量バランスが狂ってしまって、また一からやり直しになってしまうのでした。

イコライザは最初に差す

イコライザ★3 はイの一番に差します。DAWを起動したら何はさておきマスタバスにイコライザを差します。マスタバスに差したイコライザは、曲全体の質感・肌触り・色温度といった印象を強力に決定づけます。例えば黄色いセロファンを通してみた世界はなんだかノスタルジックに見えますし、青いセロファンを通してみれば、それが何であれ寒々とした印象を受けるでしょう。そんな感じです。

音楽作品をまったくイコライザで調整しないと、独特の素人臭さが残ります。マスタバスに差したイコライザで、低音と高音をほんの少しだけ持ちあげると、プロっぽい鮮やかでシャープな印象りになります。やり過ぎるとギスギスするので、ほんの少しです。

わざと素人臭い作品、ローファイな雰囲気の音楽作品を作るにしても、まずはマスタバスのイコライザでシャープに調整します。その上で高音を削ったりしてローファイな音を作ります。こうすると「プロの音楽製作環境を使ってわざと素人臭い雰囲気に仕上げた作品」みたいなニュアンスに仕上がります。「分かっててやってるんですよ、わざとですよ。」というメタ情報の演出は重要です。

私が使っているイコライザはLP-64 EQという、SONARのオマケです。

最初はプリセットに用意されていたセッティングをそのまま使いました。そして音楽作品を製作するたびに「ちょっと高音が強すぎるか」「低音が足りないな」などと微調整を積みかさねてきました。こうして鍛えた?セッティングは今や私の財産です。まあこれくらい、差しあげてもいいのですが……それこそ私と同じLP-64 EQを持っていないと使えませんし。

それより重要なのは、その手順ですよ。
まずはプリセットのセッティングをそのまま使う。ちょっとだけ微調整してみる。そのセッティングを次の作品でも使い回して★4 更に微調整する。そうしてそうして最終的に自分だけの完璧?なセッティングを作りあげます。

コンプレッサの話は次回にしますね。

★1 DAW
DTM(パソコン音楽)をするための中心的な音楽ソフトのこと。それこそ生楽器の録音からMIDI音符の打ちこみ、アレンジ・ミックスダウンからMP3ファイルの作成まで、すべてをこなす総合音楽ソフトのことです。

★2 マスタバス
DAWではピアノやギターなど、いろんな楽器の音の流れを混ぜあわせて一つの音楽作品にまとめ上げます。小さな小川が集まって大きな川になり、それらが一つの河口に流れこむようなイメージです。マスタバスはその河口、音の最終出口にあたります。ピアノの流れだけに差したエフェクタはピアノの音だけに影響を与えますが、マスタバスに差したエフェクタはそれこそすべての楽器の音に影響を与えます。つまり音楽作品全体に影響を与えます。

★3 イコライザ
楽器の音の特定の周波数――低音域や高音域を選択的に大きくしたり小さくしたりするエフェクタです。ものすごく大ざっぱな話として、高音域を大きくすると鮮やかに聞こえ、小さくすると曇って聞こえます。低音域を大きくすると迫力のある音に聞こえ、小さくすると軽い音に聞こえます。

イコライザの使い道は広範囲で、それだけで何冊も本が出るほどです。また使い道に応じて特化したいろんな種類があります。最近では入力された音を解析して自動的にセッティングを変えていくような製品もあります。シンバルがパシーンと鳴った瞬間に低音域をぐいと持ち上げてバランスを取る、というような。

イコライザは料理でいえば塩味のようなもので、華々しい効果はありませんが使い方の上手下手は音楽作品のクオリティに直結します。私もイコライザを極めるべく日々工夫を続けています。

★4 設定を使い回まわす
一般的な話として、VSTやVSTi(ソフトウエアのエフェクタやシンセサイザー)は、設定したツマミの位置やボタンの位置をファイルとして書きだすことができます。そしてそれを後で読みこんで同じ設定を使い回すことができます。

苦労して音楽作品を完成させたら、面倒でもマスタバスに差したエフェクタの設定などはファイルに書きだして、次の作品でも使い回すといいです。

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