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電子バグパイプ演奏 『Stella Splendens』

レッドパイプはドイツのレッドパイプ社が製造している電子バグパイプ、シンセサイザーのバグパイプです。レッドパイプで中世の古い巡礼歌 『Stella Splendens』 を演奏してみました。

今回の動画は、レッドパイプの使い方を研究するという、実験的な意味の強い作品でした。
上手くいった事もあったし期待どおりにいかなかった事もありました。練習不十分のまま録音に挑んだので、なんだかぎくしゃくした如何にもシンセサイザー丸出しな演奏になってしまいましたが。今後の動画の製作において、レッドパイプは戦力になる、という手応えです。レッドパイプの表現力はこんなものではないし、まだまだ生き生きとした演奏ができるはずです。

レッドパイプの他に特筆するなら、今回はずいぶんシンセサイザー音源に助けられた、という印象です。なので、今回の動画で使用しているシンセサイザー音源について概説します。

d-pro

音楽ソフトSONARの付録を便利に使わせてもらっています。これ単体でも販売しているらしいです。ギター、ピアノなど楽器の音から空想のスペースサウンドまで、百科事典のようにいろいろ揃っているのが特長です。こういうのを一つ持っていると重宝します。今回はバイオリンとチェロの音に使いました。


FOREST KINGDOM

ファンタジー系の音を集めました、という謳い文句のシンセサイザー音源です。ウェブショップのカタログページにある試聴サンプルを聞くと「うおおおぅっ!?」と思わずのけぞるほどすごい音ですが。そのへんは一発芸的なもので実は使いどころがない。それよりも鈴や笛の音など、地味な小道具が活躍してくれます。今回は後ろでどんどこ鳴っているウォードラム、しゃんしゃんと拍子をっている鈴、嵐を表現したスチールフィルムに使いました。この3つの音が今回の動画に濃厚なファンタジー色を添えています。

bagpipes

バグパイプ専用のシンセサイザー音源です。今回はレッドパイプは、ドローン管を止めてメロディーだけ演奏しました。ドローンの音は代わりにこの音源で鳴らしました。冒頭のぶぎゅぅーーーという不安定な鳴りだしはなかなか堂に入っています。それとバグパイプが二重奏する箇所について、低音パートまで私自身で演奏する余裕がなかったので、音符を打ちこみ、この音源で鳴らしました。(私が音符を打ちこんで自動演奏させた音ってほんとうに汚いな)と再確認させられました。このへん課題です。

Knagalis

特にドローン音を伴う民族楽器に強いという触れこみのシンセサイザー音源です。他社のいろんな製品と同様、まるで万能であるかように広告しますが…実際に使える音は少ないもの。今回使ったウード(べんべんと鳴っている弦楽器)の音は、この音源のウリの一つです。この音のためにこの音源があるといってもいいくらい。

ベロシティ(MIDI信号の一つで音の強弱を表す)によく反応しますし、弦を押さえた指をぐいとスライドするのもなかなか様になっています。なんだか調子っぱずれに聞こえるのは、わざとエジプト音階で演奏するように設定したから。このへんもあって異国の弦楽器の雰囲気を簡単にリアルに再現してくれます。今後も積極的に使っていく予定です。

楽器があればもっと楽しい毎日
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コメント

歌の本です。
私のハンドルネーム 歌の本 は
実はこのモンセラートの紅い写本
からインスピレーションを受けて
つけたものなんですよ。この曲は
古楽の曲の中では一番のお気に入りです。テクノパイプで演奏しようとやってみたんですがうまくいかない。運指表載せていただくと
ありがたいです。

> 私のハンドルネーム 歌の本 は
ほうそれはそれは風流なセンスです。

Stella Splendensは、ネットを探せば無料の楽譜が見つかると思いますよ。どうしても見つからないなら、うちの店で売ってる楽譜集にも載ってます(だから私は見つけました)と宣伝しておきます。

念のため。
多くのバグパイプの運指は、いちばん下の指穴を開けた…つまりいちばん低い音から数えて二番目の音からドレミファソラシドです。ソプラノリコーダのように「全部の指穴を押さえたいちばん低い音からドレミファソラシド」と解釈すると大変なことになります。

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