南アフリカの鼻笛
南アフリカのChris Schuermansが近年発表した鼻笛です。
世界レベルで非常に高く評価されていて、日本でもぽちぽち見かけるようになりまし
た。
世界楽器てみる屋は鼻笛の専門店ではありませんから、今以上にバリエーションを増
やしてどうするのか、と販売を見送っていたのですが。Chris Schuermans本人から
「売ってくれないか」と直接メールが来ました。向こうからわざわざ声をかけてくれ
たのに、蹴る理由はありません。二つ返事で取引することになりました。今、代金の
支払い方法など取引条件を確認しています。
Chris Schuermansが日本の鼻笛職人たちと大きく異なるところは、彼は工業デザイ
ナーだ、ということです。彼は自分の作品を作品としてでなく、大量生産品として完
成させることに徹底的でした。3次元CADを使って形状を設計し、精密な金型を起こし
ました。金型って、小さな物でも数十万〜百万円くらいしますよ。彼が自分の作品を
世界中に広めるためにどのくらい本気か、ということが分かるってものでしょう。
今後において日本の鼻笛市場は激変する予感です。粗悪なベトナムの鼻笛はもう論
外、完全に他の鼻笛の引き立て役です。バカ安のトイノーズフルートは別格ですが…
もっと値下がりするんじゃないかな。埼玉の鼻笛 vs あだち区の華笛 vs 南アフリカ
の鼻笛の三つどもえが目を離せません。お互いにどう差別化を図り生き残るかが重要
な争点になります。潰し合わせることなくみんなそれぞれ引き立てて共存できるよう
に考慮することは、私たち商人の責任でしょう。それにしても、日本の鼻笛職人たち
は新参の外国勢力に対してどう対抗していくつもりなのでしょうか。
その辺もあって、私は販売をためらっていたんですけどね…
既に売っているお店もあるのに、私だけ頑固になって乗り遅れるのも嫌だし。私はシ
ステムエンジニアですから、個人的にはChris Schuermansのあり方はすっごい好きな
のです。私は私の態度を決めなければなりません。とりあえず南アフリカからサンプ
ル品が届いてからの話。
楽器があればもっと楽しい毎日
» 変わった楽器、珍しい楽器の販売は世界楽器てみる屋
コメント
去年、youtubeで手を使わないnose fluteを見て欲しいなと思っていました。プラスティックやベトナムの鼻笛は、形の違うものを含め4個持っていて、いずれ埼玉の鼻笛を買おうと思っていたのですが(去年の夏のキャンペーンで、埼玉の鼻笛ではなくカリンバが当たりました。)、Chris Schuermansの鼻笛が先に欲しくなりました。
投稿者: Yukio | 2012年04月25日 11:52
追記 : プラスティックの鼻笛を
紐(ベルト)で結んで試したのですが形状が合わないのか、しっくりきませんでした。この鼻笛はどうなのでしょうか。別に手を使って吹いてもいいのですが・・・。
投稿者: Yukio | 2012年04月25日 12:14
> プラスティックの鼻笛を紐(ベルト)で結んで試したのですが形状が合わないのか、しっくりきませんでした。
同じように太いゴムバンドで留めて演奏している動画を観たことがあります。とうぜん演奏者の顔面形状との相性に依ると思いますよ。
> Schuermansの鼻笛が先に欲しくなりました。
こちらも太いゴムバンドで留めて演奏している動画を観たことがあります。その動画に限ってはいい感じに固定できてました。試してみる価値はあるでしょう。
投稿者: すだれ | 2012年04月26日 11:47
今、Chris Schuermansに取引条件を確認しているところでして。
どうしたものか、卸値がべらぼうに安価です。これなら定価400円くらいで売れてしまいます。今のところは1,800円くらいで市場に出回っていて、私はこの価格はかなり適切だと思ってます。(私自身、この鼻笛を1,800円で買ってもいいと考えている、ということです。)ならば市場を壊さないように、私も見習って1,800円で売るか、というとそうもいきません。
先方は独占的な日本の販売代理店を探しています。
今は無名なこの鼻笛について、大手資本がすぐに食いつくようなことは考えられませんが。私らが一生懸命に大きく鼻笛の市場を育てた暁には、待ってましたとばかりに、根こそぎ食い散らかしていくでしょう。そんな悔しい経験は、二度としたくない。
防衛のために、痩せた市場として育てる必要があります。「最近鼻笛という玩具が人気なんだけど、儲かりそうにないから要らないや」と、大手資本が見限るようにしなければなりません。つまり利益は可能な限り小さくしておく必要がある。
投稿者: すだれ | 2012年04月26日 12:30