横笛の吹き方 ポジションとカポ1
横笛はどれでも1本で3とおりのスケール―ドレミファソラシド―を使うことができます。この3とおりのスケールについて、ポジション★1 という考え方を取りいれつつ詳しく説明します。
ファーストポジションのスケール
要はふつうに横笛を吹いたときのスケールです。
ぜんぶ指穴をふさいだいちばん低い音からドレミファソラシド…です。運指はかんたんですし、わかりやすい。
ただし重大な欠点があって、ドより低い音を出すことができません。ドより低い音は意外によく使うものです、ゾウさんの歌も「ドーラソ ドーラソ」と低いソの音を使います。それなら2オクターブ目から吹けばいいのですが、それだと今度はものすごく高い音になってしまいます。
それとドの音にスライドを掛けられないというのもマイナス点です。スライドは、一つ下の指穴をふさいだ状態からするっとあけて、ひょえ~と音をずりあげる技です。ファーストポジションではドより下に指穴がありませんからスライドを掛けることができません。ドの音はもちろんよく使う音です、これにスライドが掛けられないのは痛い。
セカンドポジションのスケール
●…指穴をふさぐ ○…指穴をあける 半分黒…半分だけ指穴をふさぐ
上で説明したファーストポジションの、ファの音からドレミファソラシドになります。
いちばん低い音は?ソの音です、つまりいちばん低い音からソラシドレミファソ…となります。
このポジションはすごく使い勝手よいです。先ほど「低いソの音はよく使う」と説明しました。このポジションのスケールならばっちり、いちばん下の音から無駄なく使えます。よく使うドの音にスライドを掛けることもできます。新しい曲を覚えるときはまずは「セカンドポジションで吹けるかな」と試してみるのがよいです。(そしてそれはたいていうまくいきます。)
ファの音の運指がつらいのが難点、でもファの音は他の音ほど多く使わないからなんとかなります。
サードポジションのスケール
●…指穴をふさぐ ○…指穴をあける 半分黒…半分だけ指穴をふさぐ
上で説明したセカンドポジションの、ファの音からドレミファソラシドになります。
いちばん低い音は?レの音です、つまりいちばん低い音からレミファソラシドレ…となります。
もの悲しい雰囲気の曲―短調の曲―は下のミの音まで使うことがありまして、このような曲を吹くときに重宝します。よく使うドの音の運指が難しいというのが大きな欠点。よく見るとこのサードポジションはファーストポジションと1音しか音の高さが違いませんから、いっそファーストポジションで吹いた方が簡単なんですが。
このサードポジションはドの音にスライドを掛けることができるのです。
これは捨てがたい。とはいえドの運指がこんなに難しいようでは、とてもスライドどころではないのですが…
★1 ブルースハープから用語を借りました。横笛にこのような概念があるのかどうか不明。
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