竹笛のお手入れ、ひび割れの修理 4
たいせつな竹笛にひび割れができた。割れ目が見えるようなひび割れならボンドを擦りこんでボルトバンドで締めあげて修理します。使用するボンドは一般的な木工用ボンドでOKなのですが、最近はもっと強力なボンドも出まわっています。
ウルトラ多用途、なんだそうです。
コニシ株式会社が発売している「ウルトラ多用途S・U」というボンドです。世界楽器てみる屋で売っているオーバートーンフルートに使っています。溶剤を使わない、健康に害のないボンドを探していて見つけました。空気中の水分と反応して固まります。これがけっこう頼りになる。
一般的な木工用ボンドにたいしての長所は以下のような感じです。
- 接着力が強い(木工用ボンドもそうとう強いですが)
- 竹笛の表面に残ったボンドは爪でこするとポロポロときれいに落ちる(木工用ボンドよりも)
- 透明度が高い
- 固まっても肉やせしない
- 耐水性
逆に短所は以下のような感じです。
- 粘りけが強いので、線のようにうすい割れ目だと奥までボンドが通らない
- 固まりだすのが早い、もたもたしていると割れ目をとじることができなくなる
- 耐水性なので失敗してもやり直しできない
以上をふまえて、使い分けはこんな感じでしょうか。
- 線のようにうすくて長い割れ目には木工用ボンド
- はっきり割れた短い割れ目にはウルトラ多用途S・U
これ、竹笛の修理に使えるのは空気の乾燥した冬だけです!
高温高湿度の夏時期では、固まるのが早すぎて作業できません。
強いといえば、A,B液を混ぜあわせるエポキシボンドが強力ですが、固まると石のようになるので竹笛の表面に残ったボンドをどうやって拭きとるか、という課題があります。見栄えを気にしなければ一番頼りになるボンドだと思いますが。なるべく硬化時間の長いタイプを使ってください。
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