-- リトルミンストレル --

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リトルミンストレルにまつわる噺

終わってみると、なんとも不思議な事件でした。
6月にリトルミンストレル・ハープを予約したIさん(仮)が、結局、本来よりも2ヶ月早く入手することができた、という経緯についてです。

今も頭の中でいろいろなパターンを検証しているのですが……

彼女が本来よりも2ヶ月早くリトルミンストレルを入手するには、9月3日に私に入荷状況を確認するしかタイミングがありませんでした。それより早く確認しても遅く確認しても、だめなのです。

あのときたまたま在庫のあった数台のリトルミンストレルは、
今はもう完売しました。だから仮に今ごろ確認したとしても、もうどうしょうもないです。それならもっと早めに確認しておけば安心だったかというと、それがそうでもない。在庫のないときに入荷状況を確認するのは、遅かろうが早かろうが無意味です。きっと私は「納期が大幅に遅れています。Iさんには年末ぎりぎりにお届けできるでしょう。」と答えたはずで、そしてそのことを知ったIさんは、リトルミンストレルが届くのを、年末まで待ち続けたに違いないのです。

しかしIさんは、納期が遅れていることを”知ることができなかった”。
知らないまま待って待って、ついにしびれを切らして入荷状況の確認をしたのが9月3日で、それはたまたま、引き取り手のなくなったリトルミンストレルが倉庫に余っていたときだった……とまあそんな事の次第です。

いちばん不可解なのは、
Iさんがどうしても私宛に確認のメールを送信することができなかった、ということです。「ダメだった、何回送ってもダメだったっ!」とIさんは電話の向こうで涙声で訴えるのですが……ありえません。大手のスマホプロバイダから大手の老舗プロバイダへの、ごくふつうのメール送信です。一回失敗するのはたまたまかもですが、何回送ってもエラーで差し戻されるという状況は、私にはちょっと原因が想像つきません。不謹慎にも私はIさんが情報弱者であることを疑いましたが、彼女との一連のやりとりから、それはなかろうと判断しました。Iさんはふつうに自分のスマホを使っていて、私宛のメールだけどうしても送信できなかったと、そういうことらしいのです。

長々と語ったこの話には、きちんとオチがあります。
電話でIさんが告白するには、彼女は末期癌を患っていて、無事に年を越せるかどうか分からない状況だとのこと。

ともあれ無事に念願のリトルミンストレルを入手したクリスチャンの彼女は「教会の礼拝で使います」と、嬉しそうに私にお礼を言って、無神論者の私としては、ただただ「運がよかったね」「ほんとうに運がねかったね」と繰りかえすばかりなのです。

本文の中で説明できてないことがあったので補足します。
Iさんがメールばかりに頼り、9月3日まで私に電話をしなかったのは、私がてみる屋の電話番号を隠しているからです。彼女がてみる屋の電話番号を知らなかったからです。

てみる屋の電話番号を知るにはインターネットに散在する情報を探し集める必要があって、それはIさんには簡単な作業ではなかったはず。Iさんが私のブログに記事を書き込み私に電話をしたのは「最終手段に訴えたのだ!」と本人が言ってました。

さて、私がてみる屋の電話番号を隠しているのは理由があります。
それが良いことだとは思っていませんよ、仕方なしにやってます。今回の事件をきっかけに改めてそこのところを考え直してみましたが……やっぱり無理です。今の体制(私一人)で客の電話応対をすることは自殺行為です。最悪、店が潰れます。詳細に興味があるなら別の記事にまとめましょう。

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コメント

今回の一件は私の手に余る話です。
どうしたものかと考えて、このように記事にまとめてブログに公開し、全人類の共有財産としました。私の手には余る話ですが、これを読んで「そうなのか、分かったっ!」みたいな人が現れたなら、私も人件費6,000円相当の時間を費やして文章を推敲した甲斐があったというものです。

いずれにせよ、こんな話はこのブログには似つかわしくありません。
ここは音と音楽と楽器について語りあう場です。さて、心を入れ替えて最近サボり気味なBand-in-a-Boxの記事でも起こしますか。そうそう、先日すっごい面白いVSTを山のように置いているサイトを見つけましたよ。置いてあるのは主にマスタリング用のVSTでして、それが……

えっと、読ませていただいて、誤解与えてしまったな。と思ったので、補足させてください。
末期癌ではなく、極めて末期に近い病状です。そして、年を越せるかわからない。ではなく、元気な人に比べると、いつ再発するかもわからない。
そういう病状なのです。言葉数が足りなくて誤解与えてしまいました。ごめんなさい。

っとそうでしたかー。
電話での話からして、もう絶対すっごい深刻な状況だと思ってましたよ。何はともあれ良かったです。

しかしながら文章はこのままにしておきます。
私の記憶の中では、イシハラさんは電話で『私は末期癌です。来年まで持たないかもしれないんです。』と語りました。泣いている声を思い出すことができます。だから私としては自分の話を盛ったつもりはなくて、けっこう本気で書きましたし。

そしてなによりもこれは
『リトルミンストレルにまつわる噺』というタイトルの、ノンフィクション・スタイルの物語です。

当事者であるイシハラさんにはいっそう分かりにくいと思いますが。
これはイシハラさん私との間に起こった事の顛末を正確に記録した日誌ではなく、あの事件をきっかけに創られた新しい『物語』だと理解してください。『Iさん(仮)』というのはイシハラさんのことではなく、イシハラさんとよく似た人物設定の架空の主人公だと理解すると、分かりやすいかもです。

ノンフィクションとは、歴史的事実を題材にして創作された物語です。
歴史的などと大げさなことでなくても、身近な日常で実際に起こった出来事を題材にしてエッセイを書くときにも、このへんをきちんと理解することが重要です。

自分のブログやFacebookなどでちょいと気の利いた一遍を披露したいと思っている人へ。山口文憲の『読ませる技術』をぜひ読んでみてください。自分の文章のおもしろさがワンランクアップすること間違いなしです。

って、こういう話こそ私の本来のフィールドなのですよ。
だいぶ調子を取り戻してきましたよー。

良い音です。
練習楽しんでいます!
聖書に「詩編』という箇所があって
今風に言えばゴスペルでしょうか。
楽器を使い賛美するのです。
ぴったりです!
リトルミンストレルの音が。
心に染み渡って全身を包み込みます。
ハートで良かった。
その「詩編』の中に「10弦の琴と竪琴を使い神様をたたえ歌え」とあります。本当に嬉しい。感謝です!

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