カイサドラムを錆から守る 1
お客さんから「カイサドラムが錆びてきた(泣)」とのメールが届きました。メールには赤錆でまだらになったカイサドラムの写真が添付されていました。
いったいどんな使い方をすればこんなに真っ赤になるんだろうと、私のカイサをバッグから取りだしてみると…錆びてますよっ?
私は忙しくてほとんどカイサで遊んでいません、ずっとバッグに入れたままだったのに。バッグに入れてるのに錆びるなんてっ。
メーカーに状況を説明し、どのような防錆対策をしているのか確認しましたところ、カイサドラムの表面にラッカーを三度塗りしているとのこと。ふーむ。
試しにテスターでカイサの表面を測ってみたところ、電気抵抗は無限大、絶縁物質で覆われています。たしかにラッカーで保護しているのでしょうね。でも拡大写真を見ると錆に食われてラッカーが剥げてるっぽいです、弱っ。
「私たちはこれでワークショップをしているがいまだにピカピカだ。」
・湿気の多い場所に置くな
・潮風に当てるな
とメーカーから逆に注意されましたが。
しかし近年の温暖化により日本の気候はすで亜熱帯、そんなこと言うまでもなく夏の湿気は尋常ではありません。また日本は島国で、主要都市のほとんどは湾岸に位置しています。潮風による塩害は状況によっては10km離れた内地に及ぶらしいですよ。
「アジアにカイサを売りこむつもりならしっかりした防錆対策を講じてほしい。」とメーカーに要請しましたら、もっとストロングなラッカーを塗装することができるとの回答でした。「その代わり真っ黒になるけど、いい?」と念押しされたところで選択肢がない、今月から入荷するカイサはブラックカイサになります。
まあ今後はこれで様子見として、差しせまった問題はこの錆びたカイサドラムをどうするかです。きっと他のお客さんのカイサも錆びています。
錆落とし
調べてみると、リン酸系の錆落としが地金をあまり痛めずに錆を落とすとのこと。どの商品がいちばいいいいか分かりませんが、とりあえず「錆取りネバル君」を注文しました。これが手元に届き次第、カイサドラムのメンテナンスを開始します。
» 「錆取りネバル君」
塗装
カイサの錆を落としたあと、塗装で表面保護しなければなりません。でも私は塗装なんてしたことありません。試しにペンキを買って空き缶を相手に刷毛塗りしてみましたところ、無惨な結果になりました。ムリムリ、カイサでなくてよかった。スプレーならもっと簡単でしょうか。100円ショップで中華鍋とスプレーを買ってきて練習するつもりです。
最適な塗装材料は…まだ分かりません。
ラッカーは皮膜が薄いが弱いとのこと。ウレタンは強いが厚ぼったくなるそうで、これがカイサの音色に影響を与えるか否かは不明。中華鍋を相手にいろいろ試すしかないでしょう。最悪ペンキでもいいと考えています、一足早くブラックカイサになります。
犠牲防食
鉄とアルミを接触させるとアルミが鉄の分まで錆びるため、鉄が錆びないそうです。これを「犠牲防食」と言うそうです。犠牲防食の効果は鉄とアルミが空気に触れる面積の比できまるため、だから裸のカイサドラムを防食するにはものすごい表面積のアルミが必要になります。
でもそれなら、カイサに塗装したうえで犠牲防食すれば、塗装が剥げた小さな傷くらいは守れそうじゃないですか。
これは今、実験中です。効果があればいいと祈っています。
楽器があればもっと楽しい毎日
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コメント
松阪でNAFを自作している岡です。お久しぶりです。アナサジフルートいいですね~。ちょっと欲しくなってきました。
ところでカイサドラムの錆びですが、ガンブルー仕上げと言う手も有ります。これは銃の表面に塗って黒サビを発生させる液ですが、うまくやると部分的にスチールブルーの美しい光沢が発生します。黒サビが鉄の表面を保護し赤錆の発生を防ぎます。以前ガンスミスをしていたのでよく使いました。モデルガンショップや銃砲店で手に入りますが、国産と輸入(強力)が有りどちらが合うかは分かりません。
投稿者: 岡久司 | 2009年06月18日 09:32
これはこれは岡さん、ほんとうにお久しぶりです。
かわらずインディアンフルート製作を極めていますか。
アーストーンフルート工房のアナサジフルートは楽器としての完成度が高く扱いやすいです。演奏して楽しむのであればぜひお勧めです。
カイサドラムのラッカーの剥げた部分を黒錆で保護することも考えました。
当初はそれがいちばんいい方法だと判断したのですが。
「湿度の高い場所では黒錆は赤錆に変化する」という説明を見つけたので、二の足を踏んでいます…
投稿者: すだれ | 2009年06月18日 23:49