倍音楽器、コンチョーヴカ
コンチョーヴカはスロバキアの羊飼いの笛です。スロバキアに限らず欧州で羊を飼っている地方ならどこでも同じような笛を見かけます。ハンガリー、ルーマニア、ノルウェー、ウクライナ…。国によって名前は違いますがひっくるめてオーバートーン・フルート(倍音笛)と言います。
オーバートーン・フルートは細長い柳の枝でできています。リコーダのように歌口が付いているので吹けば簡単に鳴ります。指穴は一つもありません、これで2オクターブ以上の音階をどうやって出すのでしょうか。
オーバートーン・フルートの音は非常に不安定です。少し強く吹くと簡単に裏返ります、つまり倍音が出ます。倍音は吹き込む息の加減によっていろいろな高さになります。また吹き口の反対側の端を指で塞ぐと音響上の管の長さが変わるため、出てくる倍音の並びが切り替わります。このように吹き込む息の強さと端の開閉によってさまざまな音程を出す仕組みです。
»こんな音
»スロバキアのコンチョーヴカ
オーバートーン・フルートの音階はその構造に因るため、どの国でも同じ、独特でエキゾチックな音階です。
ちなみに世界楽器てみる屋で販売しているPVC樹脂製のオーバートーンフルートはベトナムのクェンという竹笛のレプリカ。オリジナルはさる名古屋万博のベトナム館で購入したんだけど…クェンってふつう人名なんですよ。ネットで探してもクェンという笛は見つからないし、本当にクェンという名前なの?
楽器があればもっと楽しい毎日
» 変わった楽器、珍しい楽器の販売は世界楽器てみる屋